幸いにもアメリカでまだ医療にかかったことはありません。出来る限りかかりたくないし、アメリカでもどこでも、極力病院には行きたくないというのが本音。
だからアメリカの実際の医療現場のことは何も知らないのすが、機会がある時にはどんな感じなのかなるべく聞くようにしています。
そんな私が友人夫婦とひょんなことから医療費の話になりました。
チャンス!耳ダンボ!
奥さんのがリスに噛まれてしまったことで、念のため狂犬(栗鼠)病/rabiesではないか診察してもらうことに。近所の小さなクリニックでは信頼出来ないと思った彼女はマンハッタンにあるとある比較的良心価格の大きな病院を受診したのだそうです。
でも結局特に処置などもなく、あなたの住んでいる地域では栗鼠に噛まれて60年間狂犬病になった人の記録はないわ、だから大丈夫!で終了したそうな。
まずその記録は何を根拠にして言っているのだろう?記録にないからと言って本当に起きてないかなんて、言えるのだろうか?
そして後日診察費3000㌦が請求された。
目を疑った彼女が抗議するとなんと請求はあっさり取り消された。
請求額にも驚くけれど、あっさりと3000㌦もの請求が取り消されることに心底唖然とした。
一体どんな経営方針???
また彼らの友人が盲腸になって請求された際、こんなに払えません!と抗議するとじゃあ、支払える額をとりあえず教えて!という返答だったそうな。
えらいどんぶり勘定やな。
友人夫婦との医療費の話は続く。
この夫婦と共通で知っている移民の青年がいます。彼は去年だったか大事故を起こして、頭蓋骨損傷などで大手術をした。いまは元気でぴんぴんしているのだけど、医療費はどうやって支払ったのかとても謎だったので、(素晴らしい保険に加入しているとはとても思えなかったので)そういえば、あの彼は医療費はどうやって工面したの?と聞いてみると、ああ、たまたま運び込まれた病院に、事故で莫大な医療費がかかる人を支える制度があって医療費は無料だったらしいよ!とのこと。
こんななんとも人道的な制度があったりもする。
そしてもうお一人共通で知っている男性がいる。この男性の奥様は超有名な世界的企業にお勤めされている。男性は心臓の3つのバイパス手術を去年受けた。難しい手術だったと思うけれど、無事成功して回復された。この費用、すんごい高額だったという話で盛り上がり….(人によっては破産してしまう額)
でも、奥様の保険で全額カバーされた。全額。
会社によって受ける恩恵が違い過ぎて、なんだかもう開いた口が塞がらない。そして一度素晴らしいベネフィットを提供する会社に就職してしまうと、なかなかその条件が惜しくて辞められないのだそうです。そうですよね。健康保険がないとやっぱり不安だもの。いつどんな病気が待っているとも限らない。
優秀な社員を確保し続けるための大企業の戦略というやつなんでしょうね。
それにしても究極のカオスでしかないアメリカ社会と思わざるを得なかった。
とりあえず、恥を忍ぶことはやめて主張しないと話にならないアメリカ。とんでもないところに嫁いでしまった。
国民皆保険制度の国からやって来た私にはきっと当分理解できないシステムです。とりあえず、健康でいなければ!!!